by chance? or by design?

古賀店からブログ移転した豊田です。
よろしくお願いします。

シリーズ by chance? or by design?

今週はシリーズの意味を通すため前3回分をコピー&ペーストにて。



太陽系の中の地球の位置。


住所を記すとき,国,市,通りの名前を書くことがあります。

それに倣えば,地球は天の川銀河という“国”の,太陽系という“市”の,太陽系内の軌道という“通り”にあることになります。

天文学と物理学の進歩に伴い,宇宙におけるこの地球の“住所”がいかに優れているかがよく分かってきました。

まず,太陽系という“市”は,天の川銀河の中の理想的な領域に位置しています。

中心に近すぎることも遠すぎることもありません。

この領域を「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」と言います。

そこには,生命を支えるのに必要な化学元素がちょうどよい密度で存在しています。

そこより外側は化学元素が非常に少なく,内側は大量の致死的な放射線などが飛び交っているため極めて危険です。

「我々は一等地に住んでいる」とサイエンティフィック・アメリカン誌は述べています。





太陽系という”市”の次に考えるのは、street. つまり”通り”。

理想的な“通り”: 太陽系という“市”の中で地球が位置している“通り”,つまり軌道は,一等地の中の「一等地」です。

この軌道は,太陽から約1億4900万キロ離れた,生命が生存できる狭い領域にあります。

そこでは,生物が凍りつくことも焼けつくこともありません。

実際太陽と地球の距離が、5%ほど近けば、とどめようの無い温暖化が、40億年程まえに起きており、1%程近ければ、とどめようの無い氷結現象が、20億年程前に起きていたはずと、考えられています。

しかも,地球の軌道はほぼ円形で,太陽との距離は年間を通じてほとんど変わりません。





太陽は,完璧な“発電所”です。

安定していて,理想的な大きさで,ちょうどよい量のエネルギーを放射しています。

「極めて特別な恒星」と呼ばれるにふさわしい星です。


地球にとって,最高の隣人。月。

月は直径が地球の4分の1を超えていて,太陽系の他の衛星と比較すると,母惑星に対してかなり大きいと言えます。

これは単なる偶然ではありません。

月は,地球の生態系に肝要な,潮の干満に大きくかかわっています。

また,地軸の安定にも貢献しています。

この特別仕立ての月がなければ,地球は,ふらふらと回るこまのようになってしまいます。

そしてついには倒れて,横を下にして回転するようになるかもしれません。

もしそうなれば,気候や潮流などが変化し,大災害が起きることになります。




太陽と月。

それぞれがなければ、そしてそれらが、完璧な位置になければ、地球には人間どころか、生物の全くいない他の惑星と同じようになっていたはずです。

さらにそれらの存在が、地球に住む人間にとって掛け替えの無いものとしているのは、その美しさです。





23.4度の傾き。1674.4km/h

完璧な傾きと自転速度:

地軸が約23.4度傾いているおかげで,季節のサイクルが生まれ,気温が穏やかになり,変化に富む気候帯が作り出されます。

「地軸の傾きは“まさに絶妙”と言える」と,「稀有な地球―複雑な生命体が宇宙にありふれていない理由という本は述べています。

地球の自転によって生じる昼と夜の長さも,「まさに絶妙」です。

もし自転速度がずっと遅ければ,昼が長くなって太陽に向いた側は焦げつき,反対側は凍りついてしまいます。

逆に,ずっと速ければ,昼間は数時間で終わり,暴風が吹き荒れるなど,恐ろしいことになってしまします。

お客様の中に九州大学原子力工学の教授をしておられた方がいらっしゃいます。

私はずっと疑問に思っていた事を質問してみました。

「地球上の季節による温度差を作り出している要素は、23.4度の地軸の傾きと地表面に対する日射の角度以外に何かありますか?」

主なものはそれだけだそうです。

それが事実なら、これは驚嘆すべき事です。

なぜなら、太陽と地球の距離1億4900万キロと比べれば、地軸の傾き23.4度が作り出す、太陽と地球上のある地点の距離の冬至夏至の距離の差は、無視できるのではないかと思う程わずかな距離だからです。

その角度が作り出す“わずかな”太陽からの距離の差が約摂氏マイナス40度からプラス40度ほどの気温差をうみだすのであれば、地球からの距離1億4900万キロは、まさに高精度にチューニングされた距離であるといえます。

一年を通して人間が生存できる気温におさまっています。

その角度は年較差を生じさせ、豊かな季節と実りを生み出します。



豊田