by chance? or by design?

今週の by chance? or by design? は地球の防護壁について。

宇宙は,致死的な放射線や流星体の飛び交う危険な場所です。
それでも地球というこの美しい星は,この“射撃場”のような宇宙空間をほとんど無傷で飛行しています。
驚くべき2重構造の防弾チョッキ、強力な①磁場と特別製の②大気 ,で身を固めているからです。

①地球の磁場:
地球の中心部では,溶融した鉄の塊が回転していて,それが,宇宙空間にまで広がる強力な磁場を作り出しています。

この磁場は,強力な宇宙放射線から,また太陽の及ぼす危険な影響力からわたしたちを守ってくれます。
その影響力には,太陽風(定常的なエネルギー粒子の流れ),太陽フレア(何十億個もの水素爆弾に相当するエネルギーが短時間で放射されること),太陽の最外層つまりコロナで起こる爆発(何十億トンもの物質が宇宙空間に噴出される)などがあります。

地球を守る磁場が存在する証拠は目で見ることができます。
オーロラです。
これは太陽フレアと,コロナでの爆発によって引き起こされる現象です。



②地球の大気
気体でできたこの“毛布”は,生物の呼吸を可能にしているだけなく,防護壁の役割も果たしています。
大気の成層圏には,酸素の同素体であるオゾンが多く含まれており,宇宙からの紫外線を99%も吸収します。
ですからオゾン層は,人間やプランクトン(地球上の酸素の大部分を生成している)など,多様な生物を危険な紫外線から守る働きをしています。
しかも,成層圏のオゾンの量は一定ではなく,紫外線が強くなると増加します。
オゾン層は,堅固でありながらも柔軟な防護壁なのです。

大気は,宇宙から毎日降り注ぐ大小さまざまな無数の物体からも守ってくれます。
それらの物体ほぼすべては,大気中で明るく輝いて燃え尽きます。
流れ星です。

しかし地球のこの”防護壁”は,熱や可視光線など,生物に不可欠なものは遮りません。

大気は,地球全体に熱を行き渡らせ,夜には熱を逃がさない毛布のような働きをします。

地球の大気と磁場は,いまだ解明し得ないほど,実に見事にできています。



地球に人や動植物が存在するのでないなら、このような防護壁は、必要ではなかったのではないでしょうか?

それとも、地球に偶然に防護壁が存在するようになったので、生物植物が存在可能になったのでしょうか?

では、それらの”防護壁”が美しいのはなぜですか?

やはり、その美しさも偶然(つまりchance) だったのでしょうか?


豊田